回復期とは
「急性期」は、脳血管障害から運動器障害、肺機能障害などで症状が急に現れる時期のことです。急性期は経過が早く、刻一刻と状態が変化します。急性期では症状に応じて、検査や治療、手術を行います。
「回復期」は、急性期で治療を受けた後、病状が安定して、これから心身共に回復に向かっていくための、とても大切な期間のことです。
「慢性期」は、病状は比較的安定している時期で、再発予防や体力維持のために、長期にわたって治療を続けていく期間のことです。
回復期は、身体機能の回復や日常生活に必要な動作の改善が見込める大切な時期です。この回復期に集中してリハビリテーションを行うか否かは、その後の回復度合いを左右します。回復期にしっかりとしたリハビリテーションを行うことは、退院後の生活の質を良い方向に導くことができる可能性が高まるのです。
回復期リハビリテーションを受けられる施設
項目 | 診療所 | 急性期病院 | 回復期リハ病院 |
入院可否・期間 | 入院不可 | 場合による | 180日まで |
1回のリハ時間 | 30分前後 | 30分前後 | 3時間まで |
その他 | 通院リハビリ | 後遺症・心肺機能低下を防ぐ目的 | 在宅復帰・社会復帰が目的 |
回復期リハビリテーション病棟とは
「回復期リハビリテーション病棟」には、医師、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、管理栄養士、医療ソーシャルワーカーなど複数の専門職種のスタッフがが在籍しています。急性期を脱した後、回復期リハビリテーション病棟の医療チームが、集中的にリハビリテーションを行い、在宅や社会に復帰していただけるよう取り組む病棟です。医療チームの各担当スタッフは、患者様の回復期リハビリテーション病棟入院後すぐに、寝たきりになったりしないよう、「食べる」「飲み込む」「起き上がる」「歩く」「トイレへの行き来」「入浴する」などの「日常生活動作=ADL」の改善を目標に、患者様の在宅や社会復帰をサポートします。
回復期リハビリテーションの主な内容
理学療法士(PT)
理学療法士(PT)は、「寝返り」「寝ている状態から起き上がる」「立ちあがる」「歩く」といった、日常生活動作ができるようにするために、運動療法や物理療法などを行い、身体機能や動作の回復を図ることで、ご自身で日常生活が送れるようにリハビリテーションを行います。
作業療法士(OT)
作業療法士(OT)は、「寝起き」「料理」「食事」「入浴」「お掃除」「洗濯」といった基本的な日常動作と、「手工芸」「園芸」「レクリエーション」などを通じて「身体」と「心」の状態の回復も図っていきます。つまり、身体と心のリハビリテーションを行います。
言語聴覚士(ST)
言語聴覚士(ST)は、脳疾患などによって起ることがある失語症や、嚥下障害などの症状が現れている場合に、アドバイスや訓練を行い、回復を促します。医師、看護師、作業療法士、理学療法士などと連携してリハビリテーションを行います。